構造化データを入れればAI検索にも効くのではないか、と考えて実装に踏み切るべきか迷っている方も、少なくないのではないでしょうか。結論としては、構造化データが直接AIの回答内容を左右するという確証は公開情報からは得られていません。ただし、情報を機械可読な形で整理しておくこと自体は、検索エンジンにもAIにも共通して役立つ土台になりえます。以下、実装の考え方を整理します。
エンジニア任せにできない部分
構造化データの実装というと、エンジニアに丸投げしたくなる作業に見えます。ですが、どの情報をどう見せたいかという判断は、マーケ担当者側にしか分からないことが多いものです。価格情報一つとっても、税込みで出すのか、プランごとに分けるのか、実装する前に決めておくべきことは案外あります。技術的な実装より先に、この整理を済ませておくほうが、手戻りが少なくて済みます。
構造化データとは何をするものか
構造化データとは、ページの内容を「これは会社名」「これは価格」「これはFAQの質問と答え」というように、機械が読み取りやすい形でタグ付けする仕組みです。人間が読めば文脈から分かることでも、機械にとっては曖昧なままのことがあります。その曖昧さを減らす、という地味ですが基礎的な役割を担っています。
AEOとの関係、分かっていないこと
構造化データを実装すればAI検索での見え方が改善する、という説明を目にすることがあります。本当にそうなのでしょうか。公開されている情報の範囲では、構造化データがAIの回答生成プロセスにどこまで直接関わっているのか、明確な答えは示されていません。分かっているのは、検索エンジンが長年、構造化データを検索結果の表示に活用してきたという実績であり、AI検索についても同じ情報源が土台の一部として使われている可能性がある、という程度にとどめておくのが誠実です。
検索エンジンでの実績をどう見るか
構造化データが検索結果のリッチリザルト表示に使われてきた歴史は長いものです。星評価や価格帯がそのまま検索結果に表示される、あの仕組みです。AI検索においても、同じ情報源が読み込まれている可能性は十分にあります。ただし、表示のされ方が違えば、参照のされ方も同じとは限りません。実績があるからといって、そのまま横展開できると決めてかかるのは早計でしょう。
優先して実装すべき種類
すべての種類を一度に実装しようとすると、工数ばかりかかって続きません。優先順位をつけるなら、FAQページ向けのFAQPage、組織情報を示すOrganization、記事コンテンツ向けのArticleあたりから着手するのが現実的でしょう。FAQページの扱われ方でも触れているとおり、Q&A形式のコンテンツは構造化データとの相性がよく、着手のハードルも比較的低いものです。
実装しない理由を探していないか
「効果が確証できないなら、後回しでいいのではないか」という考え方も、一応は筋が通っています。ただ、それは裏を返せば「やっても損はしない」ということでもあります。工数と天秤にかけたとき、優先順位が下がるのは仕方がないとしても、後回しにする理由を効果の不確かさに求めるのは、少し都合がよすぎるかもしれません。実装コストが低いページから着手する分には、大きな判断を必要としません。
実装のハードルをどう下げるか
エンジニアリソースが限られている場合、すべてを手動で書く必要はありません。CMSのプラグインやテンプレートに組み込まれた機能を使えば、最低限のマークアップは自動生成できることが多いものです。完璧な実装を目指すよりも、まず主要ページにだけ導入し、正しく認識されているかをツールで確認する、という小さな範囲からの着手が続けやすいでしょう。
過度な期待をしない
構造化データを入れれば劇的に何かが変わる、という過度な期待は持たないほうがよいでしょう。むしろ、これをやったからといって何も悪くならない、という消去法的な位置づけで捉えておくくらいがちょうどよいかもしれません。効果を確認したい場合は、実装前後で複数のAIに同じ質問をしてみて、変化の有無を観察する地道な確認作業に頼ることになります。変化が見えなかったとしても、それは失敗を意味するわけではありません。他の要因と絡み合った結果として、単純な前後比較では捉えきれないことのほうが多いくらいです。
よくある質問
Q. 構造化データを入れないとAI検索に不利になりますか。
A. 断定できる根拠はありません。ただし、機械可読性を高めておくことは他の施策との組み合わせでも土台になるため、優先度の高いページから着手する価値はあります。
Q. どのツールで実装を確認すればいいですか。
A. Googleが提供するリッチリザルトテストなど、無料で使える検証ツールが複数あります。まずはそうしたツールでマークアップが正しく認識されているかを確認してください。
Q. 実装後、どのくらいで効果が確認できますか。
A. 一律の期間は示せません。継続的にAIの回答を確認しながら、変化の傾向を観察していく姿勢が現実的です。